ドラゴンボールにガンダム…若者をうんざりさせる中高年の“お薦めハラスメント”とは

人間関係

 

漫画ドラゴンボールの話を後輩にして「こんなこともわからないの…?」と呆れる、「絶対読んでおくべきだ」と強く薦めるなどの言動が“ドラハラ”と呼ばれ、話題を集めています。

 

先輩が後輩に何かを薦めるというやりとりはよくあることです。一昔前であれば「麻雀」「ゴルフ」「車」「時計」などが対象だったのが、より卑近なマンガやゲームになってきているということでしょうか。ドラハラの他にも、ガンダムハラスメントなどがあるそうです。今まで知らなかった世界を体験するきっかけとして先輩のお薦めは貴重な機会ですが、迷惑に感じている若者も多いようです。

 

 

■若者が先輩を理解するべき?

 

昔は上司や先輩の趣味嗜好を理解しようと努力し、それによって先輩とのコミュニケーションを密にしていく傾向がありました。筆者も、お酒、麻雀、ゴルフ、美術・音楽鑑賞など先輩方の趣味を真似ることで、お付き合いの幅を広げてきたひとりです。その体験が糧になっていることもあり「若い人たちは先輩たちの文化を理解したほうがいい」という説を信じていました。

 

しかし近年、その信念は薄れ、今では「押しつけはやめたほうがいい」という声が聞こえてくるようになりました。

 

 

■女性社長仲間からの教え「中年以降は若者理解に努めるべし」

 

筆者はコミュニケーション研究をパンフレット製作やWebサイト制作に活かすデザイン事務所を経営しています。お付き合いは上司や先輩というよりは、経営者仲間が多いです。昨年、仲良くしている女性社長からこんなことを言われました。

 

最近、ある人から若い人と付き合いなさいって言われたの。若いうちは年上の人たちと付き合って、理解をしようとするって大事だし、それが成長になるけど、ある程度の歳になったら若い人と付き合って世の中のことを知っていかないとダメなんだって

 

私には衝撃的な考え方でした。それ以来、年下の友人と遊ぶ機会を増やし、世の中の見え方が少し変わってきているのを体感しています。

 

くだんの女性社長にアドバイスをした人は、おそらく年上の経営者でしょうし、筆者は今も年上の人から学ばせてもらうことが多いです。しかし今後は若者から学ぶことが増えるのは必至。若い人たちとのお付き合いの中で、いかに“教え魔”にならないようにするかが課題だと思う今日この頃です。

 

 

■誰もが持っているけれど微妙に違う「パーソナル理論」

 

過去の経験から得た成功法則、社会的な通念やしきたり、他者の知見、嫌いな人の言動などから、私たちは独自の「パーソナル理論」をつくり出しています。「こういうケースでは普通○○するだろう」「××のときはこうするべきだ」といった考え方は、少し乱暴に言うと、すべてパーソナル理論です。

 

この独自の理論の元となる体験は人によって違います。そのため自分にとっては至極真っ当な考え方も、他者にしてみればズレているということがおこります。自分には心もとなく見える他者のやり方も、その本人にとってはパーソナル理論から導き出した最適解だったりするわけです。

 

この「違い」は、人間関係に問題を起こす大きな要因の一つです。「あんなことを言うなんて」といったコミュニケーションの問題も、突き詰めればこの「違い」に行き着いてしまうのです。

 

 

■あなたもやっているかも? 「お薦めハラスメント」チェック

 

強いお薦めによるハラスメントは、「違い」を考慮しない、パーソナル理論の押しつけと言うことができるでしょう。

 

「○○は絶対やったほうがいいよ」「こういうときは、ちゃんと言うべきだよ」「今度連れてってやるよ」などなど、アドバイスや提案は多くの人がしている事だと思います。その多くは善意によるものであり、それによって助かる人もいます。

 

しかし一方で「自分の決断にケチをつけられているように感じる」「腑に落ちないアドバイスなのにお礼を言わなければならないことにモヤモヤする」「迷惑」と感じる人もいます。知らず知らずのうちにお薦めハラスメントをしていないかを診断するテストを作成したので、心あたりのある人はやってみてください。

 

【お薦めハラスメントチェック】

あてはまることが何個あったか数えてください

 

□サービス精神が旺盛

□「人がいい」と他者から言われたことがある

□自分の意見はハッキリ言うほうだ

□正しいことは主張できる

□「よくしてあげているのに反応が悪い」と感じる人が2人以上いる

□礼儀がなっていない人が多いと思う

□何度かプライベートで出かけたが、その後疎遠になっている人がいる

□正義感が強い 

 

5個以上の人は、知らず知らずのうちにお薦めハラスメントをしているかも知れません。お薦め自体が悪いのではなく、問題なのはパーソナル理論の違いを考えることなく、押しつけるようなコミュニケーションをとってしまうこと。優しくて正義感あふれる性格ゆえに、独善的な気質も持ち合わせていることを自覚し、相手を尊重するコミュニケーションを心がけましょう。

 

年上の人からの学びも、若者からの学びも人生を広げてくれる可能性を内包しています。筆者がドラゴンボールを7個集めたのなら、学びのチャンスを見過ごさない柔軟性をお願いしようと思います。いや、全然わかってくれなくてもいいんですけどね。

オーサーの個人サイト

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コミュニケーション研究家

藤田尚弓

All About 話し方・伝え方ガイド。企業と顧客のコミュニケーション媒体を制作する株式会社アップウェブを経営。言語・視覚の両面から「伝わる」ホームページやパンフレットなどの制作を通し、日々コミュニケーション...

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