「同性愛者」であることをカミングアウトできないビジネスマン

人間関係

 

同性愛者のすべてがカミングアウトしなければいけないわけではない。だがカミングアウトできないことを苦しく思っている人もいる。

 

 

■誰にも言えない

 

マサトさん(40歳)は、どこから見ても普通のビジネスマンだ。ソフトな語り口で話題も豊富なため、実は女性からモテる。だが、彼が女性とつきあっている話は聞いたことがないと共通の知人は言う。

 

「実は僕、ゲイなんですよ」

 

彼はさらりとそう言った。もちろん、すべて秘密にするという約束のもとだが、彼がどこの誰であるかわからないようにすれば書いてもいいと許可を得ている。

 

「女友だちは多いんですが、食事してカラオケ行ったり飲みに行ったりするだけ。20代のころはつきあったことがあるし、関係をもったこともあるけど、自分にはしっくりこなかった。男子校に通っていたころ好きな男の子がいたんです。あの頃から本当の自分は同性愛者なんだと思う」

 

だが、男性とも深いつきあいをしたことはないと彼は言った。積極的に恋人を見つけることもできずにいるのだそうだ。

 

「男だから女性の恋人を作らなくてはいけないというわけではない。男が男を好きになってもいいじゃないかと思ってはいるんです。ネットで同性愛者が集まるサイトにちょっと書き込んだりしたこともあります。今度会いましょうと言われたんですが、どこか怖くて踏み込めなかった」

 

自分が恋愛対象としているのは同性だとわかっていても、実際に恋人関係になるのが怖い。そんな気持ちでいるようだ。

 

 

■ゲイとして自信がもてない

 

周囲の目を気にしていることもあるが、実際には「自分自身が本当に同性と恋人関係になりたいと思っているかどうか自信がもてない」とマサトさんは言う。

 

「いいなと思う男性はときどきいるんですが、だいたいがノンケなんですよね。恋人がいたり既婚者だったり。そういう男性を好きになっても報われないとわかっているし、必要以上に傷つきたくはないから告白なんてできないし。そうやって自分の性をぼかしながら生きているような気がします」

 

自分の性をぼかしながら生きる。その言葉を聞いてせつない思いにかられた。なぜなら、それはやはり彼にとって、生き生きと暮らしていることにはならないだろうから。

 

一歩踏み出すきっかけがあれば、彼の意識も変わるかもしれない。そう思うと同時に、マサトさんのように自分の性のありように気づきながらも、望みを実現できない人は少なくないのではないかと感じた。誰もが自由に生きられる社会は、まだまだ遠い。

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ノンフィクションライター

亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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