【輝け!大人センテンスアワード2018】心を激しく揺さぶったあの言葉をもう一度!

話題

今年もいろんな世界で、たくさんの味わい深いセンテンスが登場した。【今週の大人センテンス】で取り上げた中から、とくに印象に残った5つをピックアップしてみよう。

 

第114回 今年を代表するセンテンスはこれ!

 

●ページビューダントツ1位だったで賞(8月17日公開)

「約束したから、たとえ罰を受けても家族に直に渡したかった。なんぼ警察だろうが、大臣が来ようが関係ない」by尾畠春夫さん(スーパーボランティア)

 

●大人の側が反省を迫られたで賞(5月23日公開)

「そもそもの指示があったにしろ、やってしまったのは私です。人のせいにするのではなく、やってしまった事実がある以上、私が反省すべきことだと思っています」by悪質タックル問題で謝罪会見をした日大アメフト部の選手

 

●その「強さ」に感動させられたで賞(9月10日公開)

「セリーナと全米の決勝で対戦するのが夢でした。プレーしてくれてありがとう」by大坂なおみ(全米オープン女子シングルスチャンピオン)

 

●先輩とはかくあるべしと示したで賞(1月24日公開)

「張本が来る前に、自分がたくさん優勝しておいてよかった」by水谷隼(卓球選手)

 

●今の日本の恥部をあぶり出したで賞(11月28日公開)

「同じ言葉ではないということが、同じ国ではないということがたまには悲しいけど 私が努力すればいいんですがら。近い国でよかったです。同じ時間を生きて幸せです。」by韓国の指原莉乃ファン

 

【センテンスの生い立ち】

2018年も「今週の大人センテンス」をご愛顧いただいて、ありがとうございました。ページビュートップ10に入った中から、とくに印象に残った5つのセンテンスに、僭越ながら勝手に「賞」を贈呈させていただきます。あらためて噛みしめながら、人間って素晴らしいな、スポーツっていいなと感じたり、人間って愚かだな、日本はどうしてこんなことになっちゃったのかなと思ってみたりしつつ、年の瀬を盛り上げてもらえたら幸いです。

 

「大人センテンス」から浮かび上がってくる3つの大人ポイント

  • 大切なのは「善く生きたい」という気概とプライド
  • 甘い誘惑に負けるとたちまちダークサイドに落ちる
  • 世の中は捨てたものではない。来年もきっと大丈夫

 

手前ミソではありますが、毎回このコーナーでスポットをあてさせてもらう「大人センテンス」は世の中を写す鏡です。その発言がなぜ注目されるのか、なぜ称賛されるのか、あるいはなぜ批判されるのか。そこには私たちが心の奥で求めていることや、気づかないうちに抱えている問題が反映されていると言えるでしょう。

 

2018年の「今週の大人センテンス」は、今回を含めて全部で33回(「今週の」なのに怠け者ですいません……)。前年大みそかのテレビ番組で女性キックボクサーからタイキックを受けたベッキーでスタートし、平昌オリンピック・パラリンピックのメダリストたち、イチロー、是枝監督、サッカーワールドカップ、甲子園でバットを振って怒られた白山高校の女性部長、りゅうちぇる、樹木希林さん、ノーベル賞の本庶佑先生……などなど、バラエティ豊かな顔ぶれが並んでいます。今年もいろいろあった一年でしたね。

 

暮れも押し迫った今回は【輝け!大人センテンスアワード2018】ということで、多くの関心を集めたことを示すページビューでトップ10に入った中から、上の5つの大人センテンスに「賞」を贈呈させていただきました。細かいことは忘れていても、それぞれ「ああ、あったあった」と思い出せる印象的な言葉ばかりです。

 

 

ページビューでダントツ1位だったのが、スーパーボランティアの尾畠さん。行方不明になっていた2歳の男の子を見つけた偉業や、その純粋な信念に日本じゅうが感動させられました。ただ、マスコミに追いかけ回されることに疲れたのか、今はあまり表に出ないようにしてらっしゃるようです。注目されて、傷ついたり嫌な思いをしたりしたこともたくさんあったでしょう。記事を書いておいてこんなことを言う資格はないかもしれませんが、これからは静かに、ご自分のペースでご活躍いただきたいと思います。

 

 

日大アメフト部もそうですが、ボクシング界でも体操界でもレスリング界でも、指導者や組織による「パワハラ」が問題になりました。日大アメフト部の選手の謝罪会見は、いろんな世界にあるイビツな状況をずっと許してきた、疑問があっても「世の中そういうもんだから」とスルーしてきた大人たちに、厳しく反省を迫ったと言えるでしょう。いっぽうでテニスの大坂なおみ選手や卓球の水谷隼選手は、大人の強さや美しさを見せてくれました。

 

 

コメント欄がもっとも盛り上がったのは、HKT48の指原莉乃が韓国のファンから届いた手紙の一節をツイッターで紹介したことを取り上げた回。「韓国」という文字を見ただけで、何のためらいもなく悪意と偏見と差別意識をむき出しにして、汚い言葉を平気で吐く人がたくさん湧いてきました。明らかにみっともない姿であり、それがどんなに情けないことかわからない人がたくさんいるというのは、日本の恥部以外の何ものでもありません。「大人センテンス」は、時にそういうことも浮き彫りにしてくれます。

 

どの「大人センテンス」にも、発した人の人生や信念や素直な思いが詰まっています。しっかり受け止めたいのは「善く生きたい」と思い続ける大切さ。たしかに、マイナスの感情や本音を抑え込んで、無理して言っている言葉もたくさんあります。しかし、建前だろうが強がりだろうが、その言葉を口にするのは「善く生きたい」「善き人間でありたい」という気概やプライドの表われに他なりません。

 

そして、どんな「大人センテンス」に対しても、必ず否定的なコメントが寄せられます。批判精神は大切だし、きれいごとで済ませてはいけないケースもあるでしょう。ただ、多くの場合は単に妬みや嫉みをぶつけていたり、醜い感情をダダ漏れにしているだけだったりします。書いている本人は、きっと気持ちよくて、自分なりの言い訳も用意しているのでしょう。まんまと目先の甘い誘惑に負けているわけですが、そうするとたちまちダークサイドに落ちるということも、気の毒に思いつつ反面教師にさせていただきたいものです。

 

来年もまた、たくさんの「大人センテンス」が注目を集め、私たちにいろいろなことを考えさせてくれるでしょう。総じて言えば「大人センテンス」は、「世の中は捨てたものではない」という希望や勇気を抱かせてくれます。2019年も、きっと大丈夫。周囲との比較や他人の意見なんてどうでもいいので、自分なりにがんばって自分のできる範囲でなるべく「善く」生きていきましょう。

 

 

【今週の大人の教訓】

聞こえのいい「抱負」や「目標」は立てただけで満足しがちなので注意

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コラムニスト

石原壮一郎

1963年、三重県生まれ。コラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。大人の新しい概念と可能性を知らしめ、以来、日本の大人シーンを牽引している。2004年に出版した『大人力検定』は...

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