「パパ活でやっと普通に生きられる 」―パパを求める女性たちとパパになる男性たちのリアル

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女性たちが金銭と引き換えにして、男性とデートをしたり性的関係を持ったりする「パパ活」に、世間の関心が向けられている。同時に、パパ活の危険性や反道徳性についての議論も燃焼している。しかし、こうした反応の大半は、「パパ活は問題行為である」という認識に基づいていないだろうか。

 

『パパ活の社会学 援助交際、愛人契約と何が違う?』(光文社)の著者、坂爪真吾さんは愛人バンク、援助交際など過去の事例と比較しながら、パパ活に「目新しさはない」と評する。そして、パパ活自体の是非を問うよりも、パパ活が象徴している現代日本の「希望と絶望」に目を向ける。本書を最後まで読めば、パパ活は特殊な現象ではなく一般社会と地続きにある世界だとわかるはずだ。

 

本書はパパ活の現場に携わっている人々へのインタビューを通して、その実態を探っていく。まずは、パパ活を行っている女性たち。彼女たちはサイトに登録し、男性からの接触を待つ。インタビューに応じた女性たちの年齢層は、20~40代と幅広い。おそらく、実際にはもっと多様な女性たちがサイトに登録しているのだろう。

 

そして、彼女たちの言葉を追っていくと、世間が抱いている「パパ活は楽に稼ぐ手段」というイメージが払拭されていく。確かに彼女たちは、デートやセックスで一晩に数十万円をもらえることがある。しかし、そもそも男性からのオファーが必ず来るとは限らない。また、実際に出会った男性に気に入られなければ、あっさり「放流(関係を切ること)」される仕組みである。男性の庇護欲をくすぐるためにメイクや服装を研究し、自分たちなりのマニュアルを確立させていくパパ活は、立派なビジネスだといえる。

 

一方、男性側の事情も複雑だ。パパとなる男性たちは、大前提として女性に報酬を払えるだけの経済力がなくてはならない。そのため、社会的地位が高い既婚者もたくさんいる。彼らがどうしてサイトに登録するのかというと、「第四の関係」を求めているからだと、あるエリート会社員は答える。彼は「恋人」「結婚」「愛人」、それぞれとの関係に不満を抱いていた。「オショックス(お食事とセックス)」だけで終わるのではなく、精神的なつながりを女性と構築できないものかと悩んでいた。

 

そこで彼はパパとして女性と繰り返しデートし、信頼関係を深めていく道を選ぶ。半年間、女性とは手も握らなかった。初めてキスしたときのときめきは、風俗や不倫では得られないほどの幸せだ。ただし、誰もがパパ活にゆっくりした関係を求めているわけではない。他のパパの話を読むと、「セックスに持ち込む台本」を自分の中で作り、不特定多数の女性に同じ誘い方をしているという。

 

では、サイトの運営者は現状をどう思っているのだろう? 「パパ活」という言葉を最初に使ったとされる「ユニバース倶楽部」代表・木田さんは、パパ活が過渡期であり、善悪のいずれにも転ぶ可能性を語る。かつては純粋に恋愛相手を求める場だった出会い系サイトがサクラや詐欺の温床となったように、パパ活も社会的な害悪となるかもしれない。それでも現時点で、パパ活は既存の男女関係では満たされない人々にとっての癒しになりうる。木田さんは語る。

 

パパ活も生き方の一つであり、年上の異性とのコミュニケーションの取り方の一つです。

パパ活には、現代人がほかの男女関係では得られない解放感がある。それは、規範や制度の縛りを乗り越えて自由に人間関係をデザインできるという希望だ。しかし、実際にはパパ活の中でも自らルールを敷いて、不自由になっていく男女が後を絶たない。自由の中でもなお、不自由さを感じてしまう絶望。そして、この「希望と絶望」は、結婚や恋愛においてもあてはまるのではないか? 本書は、現代を映す鏡としての「パパ活」を深く掘り下げている。

 

『パパ活の社会学 援助交際、愛人契約と何が違う?』(坂爪真吾/光文社)

 

文=石塚就一

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