胃カメラ依存になった男のナゾ

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2009年、1人のスーパースターの死に世界は騒然となった!


そのスーパースターとは、マイケル・ジャクソン。彼の命を奪ったモノ、それは...ある薬品だった。


独特の乳白色のそれをマイケルは「ミルク」と呼び、頻繁に使用していたという。そのクスリは、韓国でも社会を騒然とさせ、人気タレントや女優にまで、広く蔓延していた。 


そして、ひときわ注目される事件が起きた...。

 

 

■何度も内視鏡検査を受け続ける男

 

2011年、韓国南部の港町、釜山。社員数人の小さな会社を営む44歳の男。


家族と幸せに暮らしていたのだが...最近なぜか食欲がない。胃もたれが続いた事で、もしかして自分は胃ガンでは? と不安になった男は病院へ。


ひと通り診察を終えると、内視鏡検査(胃カメラ)を受けることになった。のどの局所麻酔だけなら保険がきく。しかし多少苦しい。そこで、男は麻酔で眠って検査を行う方法を選んだ。


すぐに意識が遠のき...気付いたときにはすべて終わっていた。眠っていたのがわずか20分だったとは信じられない。ぐっすりと一晩熟睡したようなすっきりした気分だった。


この初めての経験が...信じられない事件の始まりになる。


検査から数日後。男は、症状がよくならないのでもう一度検査をして欲しいと再び病院を訪れた。だが...やはり異常はない。


数日後...男はまた同じ検査を求め、病院へやって来た。通常であればせいぜい年に1度受けるような内視鏡検査をなぜ繰り返すのか?


それは、検査を受けた後とてもスッキリして気持ちがいいからだった。

 

 

やがて、何度も何度も検査を受けに来るようになった男。当たり前だが病院は異常なしの男に検査はしない。すると、男は別の病院を訪れて内視鏡検査を受けるようになった。

 

 


■麻酔薬が持つ強い「依存性」とは

 

男が無意識にハマったもの。それは、検査に使う麻酔薬「プロポフォール」だった。


プロポフォールは独特の乳白色をしており、80年代に欧米で使用され始めてから急速に世界に広がった薬で、投与すると脳の活動を休める効果がある。
 

 

この薬が一躍有名になったのは、2009年のマイケル・ジャクソン死亡事件。


不安や興奮状態からひどい不眠に悩まされていたマイケルは、以前から睡眠薬を常用していたのだが、特に多用していたのがこのプロポフォールだった。この薬を使用するために専属医まで雇っていた。死の当日も医師は処方をためらっていたが、他の睡眠薬は効き目がなくマイケルの強い希望でプロポフォールを使ったのだという。


実はこの薬、過剰投与は非常に危ない。マイケルの場合、搬送された時にはすでに心停止、呼吸停止の状態だった。


日本での内視鏡検査の場合、他の麻酔薬が使われることが多い。しかし、プロポフォールには他の麻酔薬にはない早く効いて、早く覚めるという利点がある。


日本でよく使われる麻酔薬は効果が長く続くため、検査の後に目を覚ます薬を打つ必要がある。


いいことずくめのようにも感じるプロポフォールだが、多量に一気に打つと、例えば呼吸が抑制されたり、血圧が下がったりすることがある。


そして依存症の問題も。さっと効いてすっと覚めるから気持ちがとても良くなる。またやりたい、打って欲しいという気持ちが出てくるという。


つまり、あの会社社長の男はプロポフォール依存の状態となっていたのだ。

 

 


■麻酔薬を求めて悪事に手を染める

 

プロポフォール依存となってしまった会社社長の男は、次々と新たな病院を探しては数日おきに、内視鏡検査を受け続けた。


自宅近くの病院で受けられなくなると、出張を装い泊りがけで韓国全土の病院を巡った。ほんの少しの間すっきりした気分がしたが、すぐに不眠のストレスを感じ、どうしてもあの爽快感が欲しくなる。


やがて男は素性を隠して検査するある方法を思いついた。韓国では国民1人1人に住民登録番号というものが与えられている。


社長であるこの男は、従業員や取引業者の個人情報を容易に知りえる立場だった。そして、その他人の番号を使って再び検査の申し込みをしたのだ。

 

 

男が受けていたのは全額自己負担の検査。保険を使わないため検査の記録は、その病院にしか残らない。しかし、すぐにまた大きな問題が。検査費や遠い町への旅費...手持ちの金が底を尽きかけていた。


それでも、気がつくと病院へ足が向いてしまう。どうしてもプロポフォールの快感を断ち切れず...費用を踏み倒してしまった。


2013年3月。全国各地の病院からの踏み倒しの被害報告があり、警察が動いた。捜査の結果、使われた住民登録番号がすべてある会社の関係者だと判明し、男は逮捕された。


あまりに浅はかな犯行だった。逮捕されるまでの2年間で、男は548回も内視鏡検査を受けていた。


男の容疑は、虚偽の症状を訴えて医者を騙しプロポフォールを投与させた、麻薬類管理に関する法律違反、94回もの診療費の踏み倒しによる詐欺罪、そして他人の番号を騙った住民登録法違反。男には、懲役1年6か月が言い渡された。


プロポフォールは、本来非常に優れた麻酔薬。正しく用いないと大変なことになる。(2018年2月27日放送) 

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