この数十年で精子が6割減!? とくに日本人男子は少ないってホント?【男も知らない精液のヒミツ】

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男性にとって精液はフシギな存在です。人生と密接な関係があるはずなのに、なぜかタブー視され、他人と語ることも少ない──。近年そんな精液が、さまざまな情報を持った“宝”として注目を集めています。いち早く精液の重要性に気づき、研究を続ける株式会社ダンテの萩原代表が、精液にまつわるコラムをお届けします。

 

 

 

【Vol.02】減り続ける精子のナゾ

 

女性は年齢が上昇すると妊娠しづらくなることは良く知られていますが、最近では男性でも年齢とともに元気な精子数が減少することが知られてきました。ある研究では、ブライダルチェックを受けた男性の約8%で精子数の減少あるいは運動性の低下が確認され、約2%で無精子症が見つかったという報告もあります。

 

他人事ではない精子の問題。実は世界的に男性の精子数が減少しているという報告が。世界20カ国の健康な男性1万5000人を調査した結果、平均精子数が1991年までの50年間で約50%減少していたことが明らかになっています。さらに、最近では1973~2011年に精液を提供した50カ国の男性約4万3000人を調査し、選抜された高所得の地域(北米とオーストラリア、ニュージーランド、欧州)の男性は、精子濃度が毎年平均1.4%ずつ下降し、38年間で半減(1mLあたり9900万から4700万に減少)し、総精子数も約6割減少していることが報告されています。一方で、低所得の地域(南米やアジア、アフリカ)の男性では目立った変化がみられないことが分かっています。この研究では、なぜ高所得の地域で精子濃度が低下しているか言及していませんが、精子減少には環境ホルモン・農薬・食生活・喫煙が関係していることを報告しています。また、中国の湖南省の約3万人の調査では、2001年から2015年で精子の濃度が3割強減少していることが報告されています。

 


■欧米と比べると日本人の精子は少ない…

 

気になるのは世界よりも、日本の現状。日本と世界を比較してみると、実は日本男子の精子数が少ないという驚きの報告があります。日本と欧米では、フィンランド>スコットランド>フランス>デンマーク>日本(川崎・横浜)の順番で精子数が少ないということがわかっています。ストレスの多い生活やファストフード、コンビニ食などライフスタイルの変化が日本人の精子数減少の理由のひとつではないかと言われています。

 

「精子の数が少なくなっている」と言われると不安になりますが、WHOでは1ml当たり1500万以上の精子数を基準にしており、まだまだ正常の範囲内ではあります。

 

では精子を増やすためにはどうすればいいのでしょう? 下記の4カ条を参考にしてみてください。


① 体重を増やしすぎない
腹囲が増えるほど、精液量、精子数が、BMIが増えるほど、精液量が減っているという研究報告があります。おなか周りが気になる方は生活習慣の改善を目指してみましょう。

 

② ゆったりした下着をはいてみよう
男性656人を対象にした調査では、トランクスをはいている男性の方がぴったりした下着の人より精子の濃度が25%高いことが報告されています。精巣の働きは34度以上の温度に弱く、睾丸が外にぶら下がっている理由でもあります。ボクサーパンツやブリーフなど、睾丸が体に触れるデザインの下着では睾丸が温まるので、トランクスなどゆったりした下着をはいてみることで男性の生殖能力を改善できるかもしれません。

 

③ 亜鉛を摂取しよう
亜鉛は不足すると味覚や嗅覚障害がおこることが良く知られていますが、精子を作るのにも重要です。実際、亜鉛は男性ホルモンであるテストステロンを体内で作る上で必須な成分で、亜鉛が欠乏すると精子数が減少することも報告されています。亜鉛は牡蠣・牛肉に多く含まれています。

 

④ 煙草に気をつけよう
喫煙者の方は、喫煙していない方よりも精子濃度が平均で13~17%ほど低いことが分かっています。喫煙は精子数だけでなく、精子の運動率・奇形率など“質”も悪くしてしまう可能性があります。

 

精子だけでなく、QOLにも好影響を与えそうな4カ条。精子からはじめる健康生活、これを機に始めてみてはいかがでしょう。

 

 

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監修:横浜市立大学附属市民総合医療センター生殖医療センター泌尿器科助教 竹島 徹平 先生

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男未来研究所所長・精液エバンジェリスト

萩原啓太郎

1986年東京都生まれ。東京工業大学卒、理学博士。 学生時代は国立がん研究センターでがんを予防する食品に関する研究を行う。 その後、産業医科大学で助教として教鞭をとり、名大ベンチャーに入社。現在、広島大学...

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