一人暮らし歴25年。結婚したいが、家の中に人がいることが耐えられない…

人間関係

 

 

「結婚したい」と思いながらも、実際に結婚したときのことをシミュレーションすると気持ちが萎えてしまうという男性がいる。基本的にひとりでいるのが好きな人は、結婚には向いていないのだろうか。

 

 

■人と行動するのが苦手

 

シンイチさん(43歳)は、大学に入ったときからひとり暮らし。すでに25年になる。学生時代も就職してからも、恋愛経験は「人並み」だという。だが、どんなに心許した恋人であっても、1泊の旅行すらけっこう苦労するそうだ。

 

「どうしても人と行動するのが苦手なんですよね。彼女ともせいぜい1泊が限度。それもずっと一緒にいると苦痛を感じるので、ときどき『ちょっとだけ別行動していい?』と聞いてしばらくひとりの時間を作るようにしていました。どうして一緒に旅行しているのにひとりになりたがるのか、別の女性とつきあっていて、電話をかけるためにひとりになりたいのかと怒られたこともあります」

 

人と一緒にいる時間に制限があるという人は少なからずいる。恋人がシンイチさんの気持ちを理解してくれれば、つきあいは続くだろうが、それでも恋人が不快な思いをしないとも限らない。

 

「本当に好きな女性でも、やはりずっと一緒というのがつらいんですよね。どうしてこうなってしまったのかわからないんです。でも昔から、友だちとわいわい騒ぐのは好きだけど、最後は家に帰ってひとりでしばらく過ごさないと安眠できないというところがありました」

 

 

■家に人がいることに耐えられない

 

そんなシンイチさんが、4年前に結婚を決意したことがある。

 

「この人を逃したらもう二度と、好きな女性は現れないと思うくらい好きでした。彼女は僕がひとりでいる時間を必要としていることも理解してくれていた。この人となら結婚できると思ったんです」

 

1泊旅行をしたときも、彼女は数時間、彼をひとりにしてくれた。彼女となら一生うまくやっていけると感じた彼は、結婚を申し込んだ。

 

「彼女も受け入れてくれました。僕はそれまで自分の家に女性を入れたことがなかったんですが、結婚を決めた彼女ならと部屋に招いたんです」

 

最初はよかった。数時間、彼女と話したり一緒にDVDを観たりと楽しい時間が過ぎていった。そしてふたりで食事を作り、食べようとしたそのとき、彼の中で異変が起こった。

 

「急に気持ちがイライラしてきて……。何をやっているんだろう、どうして僕の部屋に人がいるんだろう、と落ち着かない。考えたらそれまで我慢していないようで我慢していたんでしょうね。もう一緒にいる時間の限界が来ていたんだと思う。でも自分の部屋だから僕が逃げるわけにはいかない」

 

気づかないうちに我慢の限度を超えていたのだろう。そのときは食事がすむまで我慢し続けたが、彼女が帰ったとたん、彼は寝込んでしまったという。

 

「それ以来、部屋に呼ぶ気が失せてしまって。それでも一度、来てもらったことがあるんですが、そのときは彼女が部屋にいるだけで耐えられなくなった。それを正直に話したら、『ふたりで広めのマンションを借りて、あなたがひとりになれる空間を作ればいいんじゃない?』と言われたんです。でも考えただけで無理だな、と。よほど広い一軒家か、別世帯にしない限りむずかしい。人の気配を感じると落ち着かなくなってしまうんです」

 

病院にも行ってみたが、必ずしも精神的な疾患ではないと言われたそうだ。結局、彼は彼女と別れ、今もひとり暮らしのまま。別居結婚に応じてくれる女性が現れないかと考えているという。

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ノンフィクションライター

亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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