「スッキリするような、しないような…」ムカつく相手の裏事情を知ってしまったらどうすべきか?

人間関係

 

世の中にはいろんな人がいます。そういう人のおかげで、ムカついたりイラッとさせられたりする場面の多いこと多いこと。我慢するのもひとつの対処法ですが、自分の中のモヤモヤはなくなりません。かといって正面から反論したら、ケンカになって無駄に疲れそうです。

 

「波風は立てたくないけど、言い返してスッキリしたい」という多くの人のニーズに応えて、好評を博している本があります。タイトルはズバリ『「言い返す」技術 ムカつく相手にスパッと言い返す』(徳間書店)。著者の五百田達成さんは、日本テレビ「スッキリ!!」などでもおなじみの心理カウンセラー。『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』『話し方で損する人 得する人』など、人間関係を円滑にする知恵とコツを伝授する本を次々とヒットさせています。

 

「イヤミを言ってくるヤツ」「文句ばかり言ってくるヤツ」といった「攻撃的でうるさい人」や、「話がコロコロ変わるヤツ」「『悪気がない』で済ませるヤツ」といった「自己チューでわがままな人」、「ダメ出しばかりしてくるヤツ」「批評家ぶるヤツ」といった「傲慢でえらそうな人」など、4つのジャンルに分類された「ムカつく相手」は全部で37パターン。誰しもそれぞれのパターンごとに、具体的な顔が思い浮かぶことでしょう。

 

具体的な言い返し方だけでなく、相手は何が原因で、何が目的で、そんなヤツになっているのかを解き明かしているところも、この本の大きな魅力であり著者の真骨頂。「ああ、だからそういうことを言ってくるのか」と理解することで、そのくだらなさやセコさを認識できて、ムカムカが弱まったり何なら憐みの気持ちが湧いてきたりします。

 

 

■転ばぬ先の杖!? 自分が「ムカつくヤツ」になったら……

 

とはいえ、人間は弱くて愚かな生き物です。自分自身も、いつどんな拍子で「ムカつくヤツ」にならないとも限りません。ムカつく振る舞いをしてしまうのは、それなりの原因や目的があるはず。スパッと言い返されっぱなしだと、ダメージを受けてしまいます。転ばぬ先の杖ということで、この本にあるような見事な反撃を受けたときに、どう言い返せばいいのかを考えてみましょう。

 

 

ケース①【ダメ出しばかりしてくるヤツにはいちいちポジティブに言い換える】

 

そういうことをする理由について、本書では「頭がよさそうに見えてかっこいい(否定するほうが仕事ができるように見える)」「忙しいときに便利(ほめてるヒマがない)」「偉そうに振る舞える(相手より上に立ったような気持ちになれる)」といった理由を上げています。「禁断の果実、中毒性のある麻薬、それがダメ出しなのです」とも。

 

そんな相手には、食い下がってもキレられるだけなので「なんでもポジティブにとらえる『おめでたい人』」になろうと勧めています。「企画書、読みづらいな。主旨がぼやけてる」に対しては「たくさん言いたいことがあって!」、「フォントもよくないよ」に対しては「フォントを変えれば完璧ですね!」と返せば、嫌な雰囲気を変えることができるし、相手も「うん、まあ、そうかもね」と引き下がるだろうとのこと。

 

なるほど、たしかに有効な対処法です。しかし、せっかくこっちが無闇にダメ出しをして目先の快感を得ようとしているのに、ポジティブ攻撃で帳消しにされたら台無し。そんな時は「その底抜けのおめでたさ、素晴らしいね!」と、輪をかけたポジティブ返しで対抗しましょう。自分としては皮肉のつもりなので、自尊心は満たされます。表面上はあくまでホメ言葉ですから、相手を不愉快にさせることもありません。単に「いい人」の振る舞いにも見えますが、それはそれで結果オーライです。

 

 

ケース②【うわさ話ばかりするヤツには「バカのフリ」ですっとぼける】

 

本書では、うわさ話ばかりする人の目的は「自慢」「中傷」「共犯」の3つだと言っています。こっちに対して「私の情報をすごいとほめろ」「あの人の悪口を言え」「私と仲間であると誓え」という3つを強いているとも。そして適当にうなづいたら、よそでこっちの名前を出して「○○さんも、そう言ってたよ」と尾ひれをつけて拡められると警告しています。

 

話を合わせても「うわさ話なんてよしましょうよ」とたしなめても、どちらにせよ地獄を見ることになるので、「バカを演じてすっとぼける」という対処法を勧めています。課長が左遷される情報を振られても、「あの一件、知らない?」と聞かれても、「へー」「なんのことですかー」「よくわかんないですー」といったバカっぽいリアクションに徹すれば、相手は張り合いがなくて、二度とうわさ話を持ちかけてこなくなるだろうとのこと。

 

なるほど、たしかに有効な対処法です。しかし、せっかくこっちがうわさ話で盛り上がろうとしているのに、まともに取り合ってもらえなかったら台無し。そんな時は「うわさ話と距離を置こうとしているんだね。さすがだなー!」と持ち上げつつ、魂胆を暴いてしまいましょう。鋭い洞察力を見せつけて相手より優位に立った気になれるし、たじろぐ様子を見てほくそ笑むことができます。ただ、そもそもうわさ話が好きな自分や、姑息にマウントを取ろうとしている自分のみっともなさから上手に目をそらすことができればの話ですが。

 

こうして『「言い返す」技術』を繰り出してきた相手に言い返す技術を考えていくと、そもそも周囲に「言い返したい」という思わせている自分の残念さが浮き彫りになります。もしかしたら、無理に言い返そうとせず、素直に己を省みてその後の行動をあらためるのが、もっとも有意義で有効な“反撃”かもしれません。この『「言い返す」技術 ムカつく相手にスパッと言い返す』(徳間書店)で「ムカつく相手」の裏事情を知れば、自分がそうならないようにしようという決意も抱けるはず。多角的に役に立つ一冊と言えるでしょう。

 

 

【関連書籍】『「言い返す」技術 ムカつく相手にスパッと言い返す』(徳間書店)

 

 

 

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コラムニスト

石原壮一郎

1963年、三重県生まれ。コラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。大人の新しい概念と可能性を知らしめ、以来、日本の大人シーンを牽引している。2004年に出版した『大人力検定』は...

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