生い立ちが原因か、それともただの女好きか…? 50歳「明るい浮気男」が抱える寂しさ

人間関係

 

「年をとっても浮気はやまぬ、やまぬはずだよ先がない」という都々逸がある。若いときの浮気と、中高年になってからの浮気は、当事者の意識が違うのかもしれない。知り合いに浮気男はいくらもいるが、その中でも古いつきあいの「明るい浮気男」のシンジさん(50歳)に話を聞いてみた。

 

 

■「恋って楽しいよね」が口癖

 

シンジさんが結婚したのは29歳のとき。妻は2歳年下、ふたりの子をもうけ、妻の実家近くで暮らしている。

 

「共働きだったから、妻の両親にはいろいろ助けてもらいました。ありがたかったけど、その分、夫婦でがんばって乗り越えたという感じではなかったかなと思いますね。妻は僕より先に、なんでも両親に相談していたから」

 

気楽でよかったと思う半面、妻に頼られなかったことにいくばくかの不満も抱えている様子だ。だが子どもとはいい関係を築けていると断言する。

 

「妻には『ヘンな父親』だと言われるけど、子どもたちが小さいころから顔を見るたび、『大好きだよ、愛してるよ』と言ってきたんです。今も言いますね。それは信頼しているという意味でもある。干渉はしない、ひたすら信じる。子どもたちにはそう接してきました」

 

一方で、彼は好きなように生きてきた。会うと、「恋って楽しいよね」と言うのが彼の口癖なのだが、本人はそう意識はしていなかったようだ。

 

「そんな、いつも恋していたわけじゃないと思うけど(笑)。でも女性が好きなのは否定しない。僕、8歳のときに母親を亡くしてるんですよ。3年後に父が再婚して、弟がふたりできて。継母は悪い人じゃなかったけど、僕も思春期だったからお互いに理解できないところが多々あった。そして僕はいつも実母の愛情を追い求めていたところがありますね」

 

この人だと思って恋に落ち、でも違ったと思って次の人へいく。それが「浮気」だと言われればしかたがないとシンジさんは言った。

 

 

■妻にはバレてないと思う

 

結婚して21年たつが、浮気が妻にバレたことはないと彼は言う。

 

「妻は、何か問題が起こっても両親が何とかしてくれると思っているんですよね。最近は親も年をとったから、何かあると僕に言いますが、それは問題を丸投げしてくる感じ。仕事ではけっこう上に立っているらしいですが、家庭のことはけっこう人に頼るタイプです。それでやってきちゃったから、今さらどうしようもないんですが」

 

妻というよりは年下の従姉妹のような感覚なのだという。そして彼は外で恋をする。

 

「気持ちが弱っているときは頼れる女性がいると恋しちゃうし、仕事がうまくいったとき一緒に喜んでくれる人がいると好きになっちゃう。好きになったからといって必ず深い関係になるわけじゃないですよ、もちろん。あまりベタベタする関係は好きじゃないから」

 

彼と一時期つきあっていた女性と話したことがある。彼女が言うには、「一緒にいて楽しいけど、彼は心のいちばん奥底に高いバリアを張っている感じがする」そうだ。それは彼の生育歴と関係があるのだろうか。

 

「半世紀生きてきたから言えるけど、元気だった母に急に死なれて、追い求める気持ちと同時に、この人も急に僕の前からいなくなるかもしれないという恐怖感が消えないんだと思う。理屈じゃなくてね、そういう恐怖が深層心理に埋め込まれてるのかもしれない」

 

だから無意識のうちにバリアを張ってしまっているのだろう。どんなに恋をしても、満たされてはいないのではないか。そう問うと、彼はふっと暗い表情になりかけたが、無理やり笑った。

 

「いや、結局はただの女好きなんだと思うよ」

 

この先も妻にはバレないように祈るしかない。

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ノンフィクションライター

亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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